黒いオランダ人


「ここが俺の場所か」
こんな事を言ったのは黒いオランダ人、リッカート。
世界屈指のDMFである。
彼が所属する事となった、埼玉シャドウズは近年格段に力をつけてきており、世界でも指折りのチームになっていた。
しかし、世界と対戦すると、どこか詰めが甘く、上位には顔を出しながら、優勝という二文字には手が届かなかった。
そこで、世界でも屈指のリッカートを獲得する事にしたのだ。

「カシャ、カシャ、」
カメラの音がなりまくる。
そして記者会見が始まった。
代表「このたび私たち埼玉シャドウズはリッカート選手を獲得した。彼には大きな期待をよせている。」
そして記者が「一言」とリッカートに言った。
リ「一応、やれる事はやるつもりだ。」
そして記者会見が終了した。

そして練習に参加していたリッカートがクラブハウスに呼ばれた。
リ「なんか嫌な予感がするな...」
そしてクラブハウスに待っていたのは代表だった。
リ「なんですか代表。」
代「驚くかも知れないけどFCポルトに2年間留学してくれないかな。」
リ「えっ....」
代「驚いたかい。でもね私は世界最高の選手になってほしいんだよ。だからそのための留学だと思ってくれ。」
リ「....わかった。」
そして翌日、リッカートはポルトガルに旅立った。

そしてリッカートはここでやれる事をすべてやってきた。
パスなどの基本的な事をやれるだけやってきた。
だが、クラブハウスに入ると代表が
代「すまないがFCサンパウロに1年行ってくれないか。」
リ「....わかった。」

こうしてFCサンパウロに行く事になったリッカート。
しかしそれでも練習もまじめにこなし、攻撃力を驚異的な速さで成長させ、フィジカルなども鍛えたリッカートに太刀打できる者などほとんどいなかった。

そして帰国してすぐにスタメンとなったリッカート。
チームはほとんど負けずに勝ち進み、そしてヴィクトリ−ズカップ決勝まで勝ちあがった。
相手はFCロンドン。
今年の成果が試される一戦となった。

「私たちはここまできたんだ。ここまできたらもう優勝の事以外は考えるな。」
と、ギエルサ監督は選手に気合いをいれた。

そしてキックオフの笛がなった。
まずはシャドウズ、前半16分に石川がセンタリングをあげると、浦和が先制ゴールをあげる。

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ-------------------」
サポーターが歓喜をあげた。
だがロンドンもベルカンプのパスから、アンリが決めて前半が終了する。

「後半なんとしてでも1点をとることに集中しろ。」
選手たちは気合いを入れ直す。
そして後半、両者一歩も譲らずこのままでは延長に突入かと思われた。


しかし石川がピレスのパスをカットし、全員がいっせいに上がり出した。
そして石川はパラルディにパスを出す。
パラルディが右からセンタリングをあげる。
センタリングはロンドンのDFを通り越していった...
「あーーーーー」
観客がため息をついた。
その時だった。
リッカートが左サイドから全速力でつっこんできて、ダイビングヘッドをやったのである。
あまりのとんでもなさにGK唖然とし、ボールはゴールに吸い込まれていった。

そしてヴィクトリ−ズカップ初優勝を果たのであった